バルセロナ出張 5日目

学会は昨日まででお仕舞いで、本来なら今日日本に帰る予定だったんだけど、航空券が取れず明日帰ることになったので、今日は1日中暇な日。ラッキーなんだけど、いろいろと申し訳ないと思っている。とりあえず、昼間は観光することにした。
いつもどおり8時に起き、朝食を食べに行く。レストランでイタリアのトリノ(の方の)大学のMassimo先生(助教授)に話しかけられ、つたない英語でちょっと会話。Massimo先生も今日は1日中バルセロナにいる予定らしい。晩御飯を一緒に食べる約束をして、別れた。
部屋に戻り、シャワーを浴び、スケジュールの確認をして、10時頃ホテルを出発。
最初は地下鉄でカタルーニャ駅まで行った。駅を出て、ランブラス通りを海岸に向かって歩く。ランブラス通りには置物のように仮装した人が何人もいて、コインを投げると体を動かしたり、ちょっとした芸をしていた。中には全身真っ黒や金ぴかに塗りたくっている人もいた。
ランブラス通りをずっと歩いていくと、有名なサン・ジョセップ市場を発見。20m x 20m位の敷地内に所狭しといろいろな店が並んでいる。イベリコ生ハムを売る店、魚介類を売る店、チーズを売る店、野菜や果物を売る店、香辛料を売る店、お菓子を売る店など。飲食店もいくつもあった。通路は狭く感じられたけど、その分活気も感じられた。当初の予定では、ここで腹ごしらえをする予定だったんだけど、まだ午前早かったので、何も食べずに出た。
市場を後にし、ランブラス通りから少しはずれ、旧市街に向かった。今まで見てきたバルセロナの町並みには近代的であまり面白みを感じていなかったけど、はやり旧市街は違った。中世ヨーロッパ風。イタリアのヴェローナの町並みを思い出した。立ち寄ったのはカテドラルと王の広場。カテドラルは中庭で飼われているアヒルがかわいかった。w礼拝堂を、サグラダ・ファミリアも完成するとこんな感じになるんだなと思いつつ、拝見した。ちなみに、カテドラルの正面は、工事中の足場や覆いで、寂しいものだった。王の広場はカテドラルのすぐ隣だったので立ち寄ってみたが、う〜ん、事前に何も調べてこなかったのであまり印象には残らなかった。とりあえず、写真を何枚か。
ちなみに、旧市街はあまり治安がよくないとの話を聞いていたが、土曜日だったが、そんなことは無く、ぜんぜん心配なかった。
旧市街の外れにあるピカソ美術館に寄った。ここのピカソ美術館にはピカソの若いときの絵画が多く展示されている。つまり、まだ「普通」の絵を描いていたときの作品。特別展と常設展があり、僕はどちらも見ることができるチケットを購入した。8.5ユーロ。特別展では、ピカソの抽象画が展示されていた。常設展では、一部抽象画もあったが多くは具象画(?)だった。ピカソの絵を見ていて、ピカソについて何も知らない僕の解釈が間違っているんだろうけど、なんか腹正しさを感じた。もともと僕は理論より実践、抽象より具体を好む人間なんだけど、高い技術であんなにきれいな具象画を描ける人間がなんで理解に苦労するような抽象画を描くようになっちゃったんだろう、って。ピカソは抽象画を描き始めて有名になったわけで、それで人生のある意味勝ち組になったので、彼にとってはこの方向転換は有意義なものだったけど、具象画を辞めてしまったことは、彼の技術を捨てたということで、具象画界にとっては大きな損害だと思う。こんな感じで自分の培ってきた技術を捨ててしまう、ってことに異様に苛立ちや、もったいなさ、を感じちゃうんだよな。まぁ、僕の頭が固いだけなんだろうけど。もちろん、彼にもそれなりの哲学や、抽象画を描かなければならない理由もあったんだろうけど。そう思うと、自分の哲学・信念を貫き通せる人でなければ成功しない、とも考えられる。と、いろいろ考えながら、美術館内に1時間半ほど滞在した。
ピカソ美術館を後にし、有名なビーチ、バルセロネータに向かった。ちなみに美術館からビーチへは歩いていった。ビーチの砂浜につくころには汗びっしょりになっていた。
驚いたことに、バルセロネータのビーチにはこの時期でも大勢人がいた。泳いでいる人はあまり多くはいなかったけど、それでも数人泳いでいた。日本の海と違い、海水が青くすごくきれいで、水中の岩を見ることができた。みんな水着で上半身裸の人が多かったので、僕も上着を脱ごうかと思ったけど、バックを下ろすのがめんどくさかったので結局脱がなかった。「上半身裸の人が多い」って書いたけど、トップレスの女性も数人いた。といってもほとんどの女性がちゃんと上下の水着を着けていたけど。
バルセロネータの海岸を一回りしたところで(ビーチの先端までは行かなかった 残念)3時を回っていたので、歩いてコロンブスの像の前を通り、サン・ジョセップ市場に戻り、そこで遅めの昼食を取った。食べたのは大き目のピザ1枚と、果物の詰め合わせ、それにピタヤジュース。ピタヤは果物のようで、それ自体も売っていたんだけど、ちょっと恐い見た目をしていたのでジュースの方を選んだ。後から調べたんだけど、ピタヤはサボテン類の果物とのこと。初めて見る・聞く果物だったので興味津々で飲んでみたんだけど、おいしくなかった。スイカみたいに水っぽいだけで味が薄かった。それにスイカほど甘くもなかった。1度、試してみるにはいいかも。
昼食の後、スタート地点の地下鉄カタルーニャ駅まで歩き、そこからホテル最寄のエスパーニャ駅まで電車で移動し、ホテルに戻った。ホテルでちょっと休憩した後で、お土産を買いに近くのスーパーまで行った。だけど、生ハムはお土産にしちゃいけないって事で諦めたんだけど、チーズはどうなんだろう、魚の缶詰はどうなんだろう、ていろいろ悩んで結局あまり買い物をせずに、ホテルに戻ってしまった。残りは明日、出発前に買うつもり。そのままMassimo先生との約束の時間まで待つことにした。
9時過ぎにMissimo先生と合流した。ご飯を食べに行く前に、まずカタルーニャ美術館の方に歩くことにした。夜の美術館を見ようということで。向かってみてびっくり、美術館全体がきれいにライトアップされていて、ものすごい見物人がいたので。エスカレータを歩いて上ると(土曜の夜のため、止まっていた)、美術館正面の巨大な噴水でイルミネーションが行われていた。さまざまな音楽に合わせて、水の噴射し方や光の色を変えていて、とてもきれいだった。噴水の前で2人で写真を撮った。
その後、地下鉄でウルキナオナ駅まで行き、そこのダウンタウンにあるビュッフェ形式のレストランで晩御飯を食べた。そこで生まれて初めてウサギを食べた。だけど、骨ばかりで食べづらかった。しかも、鍋の中には頭部も入っていて、気づかずに取ってしまい、いつの間にかに脳みそをほじくって食べていた。w意外にも脳も普通においしく食べられた。途中、店員に2人の写真を撮ってもらった。
食後、昼と同様に、コロンブスの像まで歩き、近くの地下鉄で電車に乗りホテルに戻った。Massimo先生はカタルーニャ広場まで歩いていったって話だけど、僕は1日中歩き回ったので足がものすごく痛く、コロンブスの像付近で諦めてしまった。ホテルに着いたのは12時過ぎ。こんな時間でもホテル前のミロ公園で野外ライブが開かれていた。最後、今日もバスタブに湯をためて体を温めてから寝ることにした。
寝る前にふと思ったのは、明日、スーパーやってるかどうかってこと。今日お土産買わなかったのは失敗だったかな。